Research
人口減少が進む日本において、いかにして国土の持続可能性を確保するか——これが私の研究全体を貫く問いです。
従来の人口・経済指標だけでは捉えきれない地域の存続可能性を、そこに関わる人々の「認識」や行動から捉え直すことを目指しています。
国土を物的な構造としてだけでなく、人々の認識と関与が織りなす動的なシステムとして理解し、
「認識 → 行動・関与 → 構造」という3つの視点から、持続可能な都市・国土計画のあり方を探究しています。
全業績は Publications をご覧ください。
1. 地域認識と「認識人口」
#認識人口
#地域認識
#ポジティブ/ネガティブイメージ
国土の持続可能性を考える出発点として、人々が地域に対して抱く「認識」に着目します。
特定の地域に何らかの認識を抱く人々を「認識人口」と定義し、全国の市町村を対象に、
人々が各地域へ投影するポジティブ/ネガティブイメージの実態や、空間的自己相関を用いた地理的分布・都市間の認識構造を明らかにしてきました。
行動や関与の前提となる「認識」の段階から地域の存続を捉え直すことで、続く2本の柱の基盤を築く、私の研究の中核です。
関連する業績
- 松場拓海, 山渕智也, 宗健, 谷口守: 全国市町村における「認識人口」の実態 ー市町村に対するポジティブ・ネガティブイメージからのアプローチー, 土木学会論文集, 2026.
- 松場拓海, 松井陽仁, 宗健, 谷口守: 空間的自己相関に見る「認識人口」の地理的分布 ー市町村に投影されるポジティブ・ネガティブイメージからー, 土木学会論文集, Vol.82, No.4, 2026.
- 松場拓海, 山渕智也, 宗健, 谷口守: 「認識人口」概念の提案 ー市町村に対するイメージからみる全国的な実態ー, 土木計画学研究・講演集, 2025.(優秀ポスター賞)
- 松場拓海, 亀井俊佑, 宗健, 谷口守: 「認識人口」にみる都市間認識の空間構造 ー遠方の田舎への関係人口拡大に向けた裾野からのアプローチー, 土木計画学研究・講演集, 2025.
- 谷口守, 松場拓海, 亀井俊佑: 好きな都市・嫌いな都市の傾向に見る地域認識の実態, 都市計画報告集, 2025.
2. 地域への関与と行動変容
#関係人口
#二地域居住
#地方移住
#DaaS
#外出行動
#RX
認識は、人々の地域への「関与」と「行動」を通じて初めて持続可能性に結びつきます。
この柱では、(1) 関係人口・二地域居住・地方移住という形での地域への関与と、(2) 実空間へ能動的に出向く外出行動の促進(RX: Real Space Transformation)という2つの行動側面を扱います。
関係人口の動態(継続・復帰・中止・新規)や二地域居住を支える DaaS、COVID-19を契機とした地方への「分散型」転居意向の発生要因、
外出に対する否定的感情の発生要因や日常的に「訪れたい場所」の特性などを分析し、認識を実際の行動・関与へと結びつける方策を検討しています。
関連する業績
- 山渕智也, 松場拓海, 室岡太一, 谷口守: 「継続・復帰・中止・新規」に着目した訪問型関係人口の実態 ーペルソナ分析から見るターゲット別の課題ー, 都市計画論文集, Vol.60, No.3, 2025.
- 森成諒, 松場拓海, 谷口守: 代表交通手段にみる関係人口 ー空間的広がりと総関与時間を踏まえた活動内容からー, 都市計画論文集, Vol.59, No.3, 2024.
- 谷口守, 山渕智也, 松場拓海: 二地域居住促進のためのDaaS(Dual Habitation as a Service)の必要性, 都市計画報告集, 2025.
- 松場拓海, 武田陸, 宗健, 谷口守: COVID-19流行下における「分散型」転居意向の実態 ーポストコロナでの地方居住施策に向けた示唆ー, 土木学会論文集, Vol.80, No.4, 2024.
- 石橋澄子, 松場拓海, 川合春平, 谷口守: 外出に対する否定的な感情の発生要因 ーRXに向けた対象者像と方策の検討ー, 都市計画論文集, Vol.60, No.1, 2025.
- 石橋澄子, 松場拓海, 谷口守: 日常的に「訪れたい場所」の機能及び空間の特徴把握 ー能動的な外出の促進(RX)に向けてー, 都市計画論文集, Vol.60, No.1, 2025.
- 松場拓海, 石橋澄子, 川合春平, 谷口守: 若者に「外出したい」と思わせるには? ーRXに向けた「外出MM」の方向性ー, 第19回日本モビリティ・マネジメント会議, 2024.
- 室岡太一, 松場拓海, 谷口守: 「歩いていけるx-minute city」から「歩いていくx-minute city」へ ー個人の類型化(Go-WALKs)を通じてー, 第19回日本モビリティ・マネジメント会議, 2024.
3. 国土・都市の構造的な持続可能性
#自動車CO2
#都市サービス施設
#アフォーダビリティ
#人口減少
持続可能性は、人々の認識・行動を支える物的・構造的な基盤の上に成り立ちます。
この柱では、国土・都市の構造そのものの持続性を定量データから検証します。
34年間にわたる都市別自動車CO2排出量の長期的変遷とその要因、都市サービス施設の存続・消滅確率の変遷、
住宅費と移動費から見た都市空間のアフォーダビリティなど、
環境負荷・施設立地・居住コストの観点から、人々が地域に住み・関わり続けられる条件を明らかにします。
関連する業績
- 松場拓海, 石橋澄子, 森成諒, 谷口守: 都市別自動車CO2排出量の長期的変遷の要因, 都市計画論文集, Vol.59, No.2, 2024.
- 松場拓海, 川合春平, 谷口守: トリップ目的別にみる自動車CO2排出量の差異 ー個人の行動に基づく長期的変遷の推計からー, 都市計画論文集, Vol.59, No.3, 2024.
- 石橋澄子, 亀井俊祐, 松場拓海, 谷口守: 自治体における都市サービス施設の存在確率の変遷とその要因, 都市計画論文集, Vol.60, No.2, 2025.
- 松場拓海, 川合春平, 谷口守: 住宅費と移動費に着目した都市空間のアフォーダビリティ ー全国70都市での比較分析からー, 都市計画報告集, 2025.