Research

人口減少が進む日本において、いかにして国土の持続可能性を確保するか——これが私の研究全体を貫く問いです。 従来の人口・経済指標だけでは捉えきれない地域の存続可能性を、そこに関わる人々の「認識」や行動から捉え直すことを目指しています。 国土を物的な構造としてだけでなく、人々の認識と関与が織りなす動的なシステムとして理解し、 「認識 → 行動・関与 → 構造」という3つの視点から、持続可能な都市・国土計画のあり方を探究しています。 全業績は Publications をご覧ください。

1. 地域認識と「認識人口」

#認識人口 #地域認識 #ポジティブ/ネガティブイメージ

国土の持続可能性を考える出発点として、人々が地域に対して抱く「認識」に着目します。 特定の地域に何らかの認識を抱く人々を「認識人口」と定義し、全国の市町村を対象に、 人々が各地域へ投影するポジティブ/ネガティブイメージの実態や、空間的自己相関を用いた地理的分布・都市間の認識構造を明らかにしてきました。 行動や関与の前提となる「認識」の段階から地域の存続を捉え直すことで、続く2本の柱の基盤を築く、私の研究の中核です。

2. 地域への関与と行動変容

#関係人口 #二地域居住 #地方移住 #DaaS #外出行動 #RX

認識は、人々の地域への「関与」と「行動」を通じて初めて持続可能性に結びつきます。 この柱では、(1) 関係人口・二地域居住・地方移住という形での地域への関与と、(2) 実空間へ能動的に出向く外出行動の促進(RX: Real Space Transformation)という2つの行動側面を扱います。 関係人口の動態(継続・復帰・中止・新規)や二地域居住を支える DaaS、COVID-19を契機とした地方への「分散型」転居意向の発生要因、 外出に対する否定的感情の発生要因や日常的に「訪れたい場所」の特性などを分析し、認識を実際の行動・関与へと結びつける方策を検討しています。

3. 国土・都市の構造的な持続可能性

#自動車CO2 #都市サービス施設 #アフォーダビリティ #人口減少

持続可能性は、人々の認識・行動を支える物的・構造的な基盤の上に成り立ちます。 この柱では、国土・都市の構造そのものの持続性を定量データから検証します。 34年間にわたる都市別自動車CO2排出量の長期的変遷とその要因、都市サービス施設の存続・消滅確率の変遷、 住宅費と移動費から見た都市空間のアフォーダビリティなど、 環境負荷・施設立地・居住コストの観点から、人々が地域に住み・関わり続けられる条件を明らかにします。